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10-12月ガンビョン講座
以下の通り、 ジャワ舞踊講習(全4回の予定)がビンタンララスの主催で開催されます。

ジャワ舞踊講座★ジャワの豊穣の舞ガンビョン

ガンビョンはスラカルタを代表する民衆舞踊で、結婚式や式典のオープニングなどで上演されることの多い演目です。現在のガムラン音楽における太鼓奏法とともに発展してきました。音楽に合わせて踊る楽しみを経験してみませんか?基本的には、日本で、あるいはインドネシア滞在中にジャワのガムラン音楽や舞踊に触れた経験がある方を対象としていますが、まずはジャワ舞踊がどんなものか知りたいという方にもお勧めです。

会 場: 天王公民館 大会議室 
     大阪府茨木市天王2丁目13-71
講 師: 冨岡三智
受講費: ¥5000(全4回分会場費込み)   
右のメールフォームよりお申し込みください。

講座日程
①10月14日(月・祝)120分
 14:00準備 14:30スタート 17:00完全撤収

②11月 4日(月・祝)90分  
③11月17日(日)  90分
④12月 8日(日)  90分 
 14:30準備 15:00スタート 17:00完全撤収

服装…
・カイン着用。一般の服装(ジーンズなど)でも参加可。
・サンプール(舞踊用の布)持参。持っていない人には貸し出しますので、申込時にお伝えください。

詳細は以下をご覧ください。(下までスクロールして下さい)
ハナジョス http://hanajoss.net/sub1information.html  

gambyong1.jpg



NEW! 9/19 以下追加
ガンビョンに関して、以下の記事をサイト「水牛」に寄稿して書いています。
水牛2003年1月号「ジャワ・スラカルタの伝統舞踊(2)民間舞踊」
http://www.suigyu.com/sgbn/sg0301.html#冨岡

水牛2010年1月号「酔っぱらいのトラ」
http://www.suigyu.com/sg1001.html#01
9/23 公演御礼
2013年9月23日 第5回観月の夕べ も無事に終了しました。
岸城神社の阪井宮司さま、ご来場くださった皆さま、関係者の皆さま、ありがとうございました。
2013観月の夕べblog
後ろ右端が阪井宮司。出演者のうち稲葉さんが写っていません…残念。
観月の夕べ プログラム
観月の夕べ
2013年9月23日(月・祝)午後6時~8時
岸和田市 岸城神社 御社殿内 


明日に迫った公演のプログラムです。

ガムラン音楽:
ハナジョス、家高洋、稲葉明子、岩本象一、西田有里、松田仁美、アナント・ウィチャクソノ


~*~*~

「スリンピ・アングリルムンドゥンSrimpi Anglirmendhung」前半
舞踊: 冨岡三智、(西岡美緒)


スリンピは、4人の女性によって踊られるジャワの宮廷舞踊です。「アングリル・ムンドゥン」は「雨雲のような」という意味で、雨をもたらす霊力があると言われています。1790年にマンクヌガラン王宮でブドヨという形式で創られたあと、スラカルタ王宮に献上されてスリンピに改作されました。この曲の前半はグンディン・クマナという、古い演奏法で演奏されます。クマナは宮廷でしか使わない楽器で、ジャワ王宮を守護する女神ラトゥ・キドゥルがこの音色を好むと伝えられています。2人の演奏者が1対のクマナをバチで交互にティン、トン、ティン…と叩き続けますが、その単調なクマナの調べ、上昇下降するメロディーや息の長い節回しなどが、神々に対する畏怖の念をもよおさせます。本公演では、前半だけを少しだけ短くして上演しています。

本来は、先頭の踊り手が先に1人だけ立って四方を巡りながら踊り、続いて4人が立って踊ります。今回はメインの踊り手は1人(冨岡)ですが、もう1人(西岡)が中央に座っています。スリンピは四方舞と言われますが、四方の外よりも、むしろ四方の中央に強力な磁場があるかのように意識して踊る舞踊で、その磁場を観客の皆さんに目に見えるように表現しています。(冨岡三智)

「陰陽ON-YO」(作曲:Dedek Wahyudi)
舞踊: 冨岡三智、西岡美緒
作曲: Dedek Wahyudi


2002年インドネシアの中部ジャワ州立芸術センターにて初演。作曲を、舞踊曲を得意とするDedek Wahyudi氏(インドネシア国立芸術大学スラカルタ校教員)に委嘱。元の振付は冨岡三智。今回はそれをベースに、後半はほぼインプロビゼーションで踊り、ジャワ舞踊のスラカルタ様式(冨岡)と、ジョグジャカルタ様式(西岡)の様式差をあえて出しています。

最初の男性独唱部では、「古事記」のイザナギとイザナミの国生みの神話を歌っており、宇宙の始まりを表しています。宮廷舞踊風にグンディン・クマナの編成で始まり、後にフル編成のガムラン演奏になります。前作の「スリンピ・アングリルムンドゥン」の完全版でもそうですが、宮廷舞踊の古い曲には、前半をグンディン・クマナで演奏した後に後半をフル編成で演奏するものがいくつかあり、それに倣っています。混沌から二つの異なる要素(陰陽、善悪、男女…)が生まれ、それらが対立や葛藤を経て合一、調和した世界に至るという、ジャワ宮廷舞踊と同様のテーマを表現しています。(冨岡三智)

舞踊劇 ラングンドゥリヤンLangendriyan
舞踊: 岡戸香里


ラングンドゥリヤンは中部ジャワ、スラカルタで19世紀後半に発祥し、マンクヌガラン王宮で発展してきたユニークな伝統舞踊劇で、「ジャワのオペラ」とも呼ばれます。すべての役柄は、荒々しい男性の役柄も含めてすべて女性によって演じられ、台詞として使われる歌は、トゥンバンと呼ばれるメロディーと密接に結びついたジャワ伝統韻文詩であるところに特徴があります。物語は、東ジャワのマジャパヒト王国の女王、ラトゥ・アユ・クンチョノウングのエピソード(または、ダマルウラン物語 とも呼ばれる)からとられ、王を取り巻く世界を中心とした「戦い―勝利―死」、「忠誠」、そして「愛(ロマンス)」がテーマとなっています。

<物語の概要>
マジャパイト王国に属しているブランバガンの領主でシャクティ(超自然的力)を持つメナッジンゴ(荒々しく醜い男性)のたくらみで、マジャパイト王国内では反乱が起き、乱れていました。メナッジンゴはマジャパイト王国の未婚の女王、ラトゥ・アユ・クンチョノウングの美しさに惹かれ、策をめぐらして、彼女と結婚してマジャパイトの王になろうとしていたのです。

国内の状態に心を痛めた女王が瞑想していたある時、不思議な声の啓示を得ました。メナッジンゴを倒し、マジャパイト王国を平和な状態に戻すことができるのは、ある村から出てきたダマルウラン(非常にハンサムで洗練された男性)という名の人物であると。女王はダマルウランに軍隊を率いてブランバガンのメナッジンゴを倒し、その証拠としてメナッジンゴの首を持ってくるように命じました。メナッジンゴを倒すため、ダマルウランは召使いを二人だけつれてブランバガンへ出発するのです。ダマルウランはメナッジンゴの妻たちの住む宮殿に入り込み、それに気づいたメナッジンゴは激怒して二人の間に戦いがおこります。その戦いで、ダマルウランは瀕死状態になり気を失ってしまいますが、メナッジンゴの二人の妻に介抱されて回復をとげます。妻たちはメナッジンゴのシャクティの秘密であるウェシクニン(黄色い鉄の意)の棍棒を盗み出して、ダマルウランに渡しました。その後のダマルウランとメナッジンゴの一騎打ちでは、ウェシクニンの棍棒のないメナッジンゴはついにダマルウランによって倒されたのです。その後、ダマルウランは女王の王宮に戻り、彼女と結婚して王となりました。

<今夜の演目に関して>
今夜、演じられる演目は、ラングンドゥリヤンの物語の一部で、Langendriyan Telu (ラングンドゥリヤン・トゥル(Teluは3の意))、または、Damarwulan Kantaka (ダマルウラン・カントコ(ダマルウランの気絶の意))と呼ばれ、メナッジンゴとダマルウランの戦いで、ダマルウランが気を失うところまでの物語です。ふつうはメナッジンゴとその召使のダユン、そしてダマルウランの3人で演じられます。今夜はそれを、メナッジンゴ、一人で演じるという、実験的なものになっています。ただし、観客の皆様の想像力がより掻き立てられるものになるのではないかと、期待しています。(岡戸香里)

ガムラン音楽と歌
1.アヤッアヤッ・ラスム・ブドル・ジュルックAyak-ayak Lasem Bedhol Jejer 
2.~ラドラン・ルジャッ・ジュルッLadrang Rujak Jeruk ※
3.~ランチャラン・ゴドリルLancaran Godril ※
4.~スレペッ・バニュマサンSrepeg Banyumasan


ガムランはインドネシアの伝統的な打楽器を中心とした楽器群、またその楽器で演奏される音楽のことを指します。ジャワではスラカルタ(通称ソロ)とジョグジャカルタの王宮を中心に洗練された音楽が発展しましたが、民間でもさまざまな音楽が発展しました。

今回は、ジョグジャカルタ様式をベースに、ワヤン(影絵)の音楽の伴奏で使われるような、変化に富んだ曲をメドレー式に演奏します。※のついた2と3曲のコーラス部分は、インドネシアを代表するワヤンの人形遣いであり作曲家のナルトサブドNartosabdo(1925~1985)が作曲しています。

2の曲は明るく親しみやすいメロディーで、「あんたしっかりしなさいよ」と妻から夫への気持ちが歌われます。歌い手は多彩な節回しによって、明るく逞しく日常を生きるジャワの女性の様子を歌います。ナルトサブドはインドネシアの様々な地方の様式を積極的に作曲に取り入れましたが、3の曲はジョグジャカルタより西にあるバニュマス地方の音楽を元にしています。続く4のバニュマス風の曲とともに、宮廷音楽とは違って庶民的で躍動感のある賑やかな雰囲気が魅力の音楽で、男性の掛け声も音楽を盛り上げます。(西田有里、冨岡三智)
9/23 岸城神社への行きかた
恒例! 岸城神社への行き方 ~電車編~

2013観月の夕べ ちらし

今年で5回目となる「観月の夕べ」公演は、9/23(月・祝)に開催されます。9/11に現地チェックに行ってきて、今年も恒例の「行き方」を掲載します。昨年と今年の写真が混じっています。だんじり祭(今年は9/14-15)の直前なので、提灯が写っているのは今年の写真です。しかし、公演当日にはこの提灯はすでにありません。念のため。

岸城神社の住所は大阪府岸和田市岸城町11-30(岸和田城のお濠端)

最寄駅は南海本線の岸和田駅(区間急行が止まる、難波より25分)か蛸地蔵駅(各停のみ)

岸和田駅   蛸地蔵駅

車でのご来場の場合は、最寄の公共の駐車場(城のお濠端にいくつかあります)をご利用ください。

以下、遠方から来られる方は区間急行を使われると思いますので、岸和田駅からの案内をいたします。

まずは地図。
岸和田駅からの地図
岸和田駅の中央出口を出て左折し、線路の高架に沿って、岸和田城・市役所方面に向かいます。

駅を出て左側の風景
P1040979 - コピー

高架を左に見ながらずっと歩いていき…
線路沿い

前方の岸和田駅南の交差点を右折。
岸和田駅南交差点

今年は岸和田駅南の交差点で渡ったけど、次の城見橋の交差点で渡っても良い。
岸和田駅南を右折後

次の、城見橋交差点(赤いローソン)の所を左折する
城見橋交差点

突き当りを右折
城見橋から突き当り

左手にある大賀医院を超え、川井医院の角の三叉路を左折
川井医院

すると、道の左手奥に神社の鳥居が見えます(赤い矢印)
ちなみに右手奥にはお城が見えます(黄色い矢印)
神社 - コピー

神社正面はこんな風景
岸城神社 鳥居 (2)

だんじり祭の直前だけ見られる鳥居脇の光景
だんじり前の岸城神社

最初の鳥居をくぐって参道へ、次の鳥居があり… 
神社参道から

奥に御社殿=公演会場があります。
岸城神社 社殿


帰りに岸和田城を眺めてこ……
岸和田城を見る 
9/23 第5回観月の夕べ お知らせ
第5回ジャワ舞踊・ガムラン奉納公演
観月の夕べ

だんじり祭の後の静寂…


2013年9月23日(月・祝)午後6時~8時
岸和田市 岸城(きしき)神社 社殿内

入場無料 ・カンパ歓迎
境内駐車場から絵馬殿の辺りでは午後1時から蛸地蔵商店街手作り市も併催します!

※公演は社殿内、手作り市も雨天でも中止になりません。

2013観月の夕べ ちらし

■出演
ジャワ舞踊: 冨岡三智、岡戸香里、西岡美緒

ガムラン音楽:ハナジョス、家高洋、稲葉明子、
       岩本象一、西田有里、松田仁美、
       アナント・ウィチャクソノ

■主な曲目
・「スリンピ・アングリルムンドゥン」前半
舞踊:冨岡三智
スラカルタ宮廷舞踊。女性の四方舞を1人で…

・「陰陽ON-YO」
舞踊:冨岡三智、西岡美緒
冨岡の委嘱により、2002年Dedek Wahyudi作曲

・「メナッ・ジンゴ」
舞踊:岡戸香里
マンクヌゴロ王家の舞踊歌劇より、王の舞踊

■岸城(きしき)神社と「観月の夕べ」公演について
岸城神社は岸和田城の鎮守神社として発展し、2011年に御鎮座650年大祭を迎えました。有名な「岸和田だんじり祭」はこの神社の例祭で、今年は9月14,15日に行われます。今年で第5回目を迎えるジャワ舞踊・ガムラン奉納公演「観月の夕べ」は、2009年に本公演の会場となる御社殿の改築を機に、中秋の名月にしっとりした公演を…という阪井宮司の発案で始まりました。
岸城神社 社殿

ジャワ・ガムランはジャワ島中部の王宮で発展した伝統音楽です。本公演では関西ガムラン界で活躍するベテランや留学経験者が集まり、毎年新しいテーマで、生演奏の音楽とその伴奏による舞踊を奉納しています。今年のテーマは、天地、水、神人です。天地が始まり、雨が神を呼び、そして人を目覚めさせる、そんな悠久の物語を、特に歌に重点を置いて表現します。社殿の中で生のガムランの響きをぜひご堪能下さい。そして千亀利(契り)の宮と呼ばれるここ岸城神社で、毎年お目にかかりましょう!

「観月の夕べ」公演のあゆみ
第1回 2009年10月4日
「彼此岸月乃夜夢」、落語(林家染雀)とのコラボレーション
第2回 2010年9月23日
新作ワヤン(影絵)「スマントリとスコスロノ」と舞踊
第3回 2011年10月12日
新作ワヤン「プトリ・バンブー」、雅楽とのコラボレーション
第4回 2012年9月29日
「瞑想の旋律、流水の舞」、秘曲ガドゥン・ムラティで舞う

昨年の映像はこちら↓
「第4回観月の夕べ」/撮影:阪井正明宮司
https://www.youtube.com/watch?v=d6ULlC9LryY

■会場・アクセス:
岸和田市岸城町11-30(岸和田城の前)
南海本線岸和田駅より徒歩10分、蛸地蔵駅より徒歩5分
※お車でご来場の方は岸和田城周辺の公共駐車場をご利用下さい。

岸城神社アクセス

■お問い合わせ:
ジャワ舞踊の会 http://javanesedance.blog69.fc2.com/
ハナジョス http://hanajoss.net/

主催:ジャワ舞踊の会、ハナジョス  
共催:岸城神社
後援:在大阪インドネシア共和国総領事館、
   岸和田市教育委員会、大阪文化団体連合会
協力:フロントダッシュ
   蛸地蔵商店街手作り市の皆さん 
9月7日のシンポジウム&ガムラン公演のお知らせ
★インドネシア×日本★
★伝統×未来のメッセージ★ 
シンポジウム&公演のお知らせ


2013年9月7日(土)
五條 源兵衛(奈良県五條市) にて
9月7日ガムランとシンポ

12:00-14:00 ガムラン・ランチコンサート 
五條 源兵衛 1階
2000円。要予約。下記よりお申込みください。
※特別メニューとなります。
演奏・舞踊:ハナジョス、松田仁美、冨岡三智
http://www1.gojo.ne.jp/~yamato/hana2013/gamelan/index.html
 →このページの右上に申込ボタンがあります。

14:00-17:00 シンポジウム
五條 源兵衛 2階
無料、入場自由

■スピーカー
・アンタリクサAntariksa(Indonesia Contemporary Art Network=iCAN代表、インドネシア・ジョグジャカルタ出身)
  http://canmanage.net/
・佐脇三乃里(黄金町エリアマネジメントセンター学芸員)
  http://www.koganecho.net/
・林朋子 (せんだいメディアテーク)
  http://www.smt.jp/
■モデレーター、通訳: 冨岡三智

インドネシア調査で接点を持つ3人がインドネシアや日本のそれぞれの拠点で取り組んでいる都市とアートのマネジメント/交流について語ります。そして、会場となる五條の町のポテンシャルについても…。アンタリクサ氏は、9月14日から始まる黄金町エリアマネジメントセンターでのイベント「黄金町バザール2013」のために来日するのですが、同センターのご厚意により、同館の学芸員の佐脇氏ともども、そのイベントより先にこちらに来ていただけることになりました。

■後援: 奈良・町家の芸術祭 HANARART 2013五條
    http://hanarart.main.jp/

■内容についてのお問い合わせ →ジャワ舞踊の会・冨岡三智まで

■五條 源兵衛 へのアクセス
JR和歌山線・五条駅より徒歩10分、無料駐車場完備。
http://genbei.info/
源兵衛地図
水牛9月号「振付と音楽」
サイト「水牛」に、今月は以下の文章を寄稿しています。
http://www.suigyu.com/
ジャワ舞踊作品を作るのに、曲が先か、詞が先か、振付が先か…というお話。



振付と音楽

NHK朝ドラの「あまちゃん」に登場するアイドル・プロデューサーは、詞先(先に作詞)でも、曲先(先に作曲)でもなくて、振り先(ふりせん、先に振付)という設定だ。アイドル・ダンスでは詞や曲ができる前に振付を考えるというのは普通ではないみたいだが、ジャワの伝統舞踊で、私は振り先で作られたダンスを踊った経験がある。というわけで、今回は振付と音楽の関係について。

私の場合、第1作目は曲先で振付した。初めて演奏会で曲を聴いたときに、それまで舞踊にしたいと思っていたコンセプトにぴったりの曲だと思ったからだ。2作目は委嘱曲で振付したいと思っていたので、舞踊音楽の作曲を得意とする音楽家に委嘱した。この人はある程度が振付ができてから音楽をつけたいと言ってきたので、曲のコンセプト、進行、フォーメーション、曲調、曲の形式、演出などを最初に伝え、それぞれの場面の動きを大ざっぱに決めてから一度練習を見に来てもらい、曲ができると、それで踊り込みつつ、音楽の方も手直しという作業をした。

たぶん、こんな風に音楽家と相談しながら振り付けるのがジャワの伝統的な手法だろうと、私は漠然と思っていたのだが、私が踊り手の1人に起用されたある公演では、本当に「振り先」だったので驚いた。つまり、音楽がまだできていないのに、動きだけどんどん決めていくのだ。振付家は当時すでに40代半ばの芸術系大学の舞踊教員だから、素人ではない。彼の作品では男女4人ずつが出演したのだが、女性パートでは私1人が呼ばれ、彼の試行錯誤に付き合って指図されるままに動き、動きが決まると彼はそのつど舞踊譜に足していった。男性パートでもわたしと同様に呼ばれていた人が1人いた。振付がほぼできてから他の踊り手も呼ばれて全体練習が始まり、フォーメーションが付け加わり、全体練習進んでから作曲家がやってきて、振付を見て、音楽ができたのはいつ頃だっただろう…、もう公演にかなり近くなってからのことだ。そういうやり方なのに、ばっちり音楽と振付の雰囲気が合っていて、私はびっくりしてしまった。というのも、この振付家はわたしと違って、曲の形式もあまり考慮してなかったからなのだ。ジャワの音楽はどんな形式の曲であれ4拍単位になっているから、それに合わせてやっていけば良いようなものの、ガムラン音楽のどの形式に合わない箇所もできたりして、私が指摘したこともある。とにかく、全体構成を意識せず(していたのかもしれないが)、冒頭部からどんどん動きをつなげていくという「振り先」の振付方法は意外だった。

私の第2作目の音楽家は楽器演奏者として出発しているせいだろう、曲先の人だった。「歌詞はどうする?」と聞いてくれたのは、わざわざ作詞したいか?ということを確認するためで、私が「別に意味がなくても良いです」と伝えたらそれでOKで、その観点から詞(というか単語)を当ててくれた。私にとって、舞踊の歌は、言葉の意味以上に効果音として意味があるもの。ときどき単語が耳に入っていろんなイメージを喚起してくれるけれど、そんなイメージや音の響きの方が、意味より大事、なのだ。けれど、同じガムラン音楽家でも、詞の朗誦から出発した人は当然ながら詞にうるさい。私が3作目の舞踊作品を作った時は歌の人に作曲してもらったのだが、その人は詞先でまず歌詞を作ってきた。それも1番、2番…という形で。だから、私がインストゥルメンタルな部分を増やしたり、曲を短くしたりするため歌詞を削りたいとお願いすると、意味がつながらなくなると主張されて、結局短くできなかった。

というわけで、私としては、「振り先」100%は唖然とするが、詞先でも困る、振り優先で途中から曲との同時並行がいいなあ、という次第。他の人がどんなふうに創作しているのかは知らないけれど…。