2017年02月21日 (火)
ゆるゆるとすでに3年半続いている講座です。最新のインドネシアの話題に触れましょう。全然知らなくても解説をご用意しますのでご心配なく。
今月は…終わってしまいました。すみません…。事前告知、フェイスブックでやっていただけで、こっちに掲載し忘れていました。
ビジネス実践インドネシア語講座
2017年2月19日(日)14:30~17:00
レストラン 五條 源兵衛 (奈良県五條市新町通り) にて
アクセス:JR和歌山線五条駅徒歩10分、無料駐車場有
今月のトピック:
①知られていない日本の真相
インドネシア人旅行者が見た日本の不思議な習慣50数項目からピック
アップして読みました。
②ポンティアナックに女性の幽霊像が建てられる?
西カリマンタン州の州都のポンティアナックですが、その都市名の意味は
女性の吸血幽霊(笑)。で、ポンティアナック州が観光名所としてその名
の由来となった女性の吸血幽霊像(100m)を建設しようという話がある
…という記事を読みました。
③金正男の死に関しインドネシアのパスポート所持者が逮捕
CNNインドネシアより最新の話題を読みました。
参加費: 3000円(当日現金でお支払下さい
遠方参加者歓迎!皆様、市外/県外からの参加です。
--お菓子と教材(解説つき)
プリントの準備がありますので、出席ご希望の方は前日夜中にメールフォームからメールをお願いします。
--源兵衛特製の茶菓子付
今月(★上の写真)はあすかルビー(上のイチゴ)、古都華(下のイチゴ)、ナスタチウムの葉と花(いかにも草という野趣があります。)あすかルビーは今から出回り始めるイチゴで、古都華と新旧交代です。
源兵衛で昼食/夕食をご希望の方は、直接源兵衛にお申し込みください。源兵衛は昼の部が14:30で終わり、夜の部までの間の営業時間外を利用して本講座を行っています。
2017年02月01日 (水)
高橋悠治氏のサイト「水牛」>「水牛のように」2017年2月号コーナーに、「ヒストリーとストーリー」を書きました。
ヒストリーとストーリー
昨年の大河ドラマ「真田丸」では、時代考証を担当する研究者のドラマに関する発信がいつになく多かった。その中で最も驚いたのが、史料に基づく実証的な研究が進んだのが1990年代以降、特に豊臣政権樹立後から江戸時代に入るまでの期間に関する史料に即した研究が進んだのはここ5年ほどだということ。そんな最近のことだったとは思いもよらなかった。大河ドラマが始まったのは1963年だし、その原作になるような、史実を踏まえた司馬遼太郎らの歴史小説が書かれ始めたのもその前頃(だいたい1950年代後半)からだ。とすれば、今まで私たちが小説やテレビドラマ、映画で見てきた関ヶ原の戦いや大坂の陣などのエピソードなどは何だったのかといえば、実は江戸時代の講談や明治以降に作られたフィクションが多いのだという。
真田十勇士がフィクションだということは分かるけれど、合戦研究なども明治になって陸軍参謀本部が兵士の教科書として作り上げた部分が多く、実証的ではなかったのだそうだ。このことは研究者には当然の事実なのかもしれないが、私には驚きだった。このドラマでは、史実通りではないとクレームがきた描写が、実は最新の研究成果から分かった史実に基づく描写だった、という状況が時々起こっていた。ところが、時代考証者や脚本家自身の反論があればあったで、史実通りに描けば良いというものではないとか、皆が良く知っていることは史実でなくても入れるべきだと矛盾したことを言う人もいて、結局、人はヒストリーよりも自分の信じたいストーリーを好むのだなあと感じたことだった。
そんなところが気になってしまうのは、インドネシアでの出来事とつい比較してしまうからだ。インドネシアで以前、ある大学教授―ということは知識人―と話をしていた時に、その人がインド伝来の叙事詩である『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』を歴史(sejarah)として認識していて、そのことに私は大変面食らったことがある。私自身は、それらは歴史的な記憶が反映されているとしても物語(cerita)であり、実証的な歴史とは違うと当然のように思っていたからだ。その後、同様の経験をした日本人と会って、インドネシアではこれらは歴史として認識されているようだという話で盛り上がったことがある。
田中千鶴香氏によると、historyとstoryは元々は一つの語で分化したものらしく、現代英語でもhistoryに「時間にとらわれない自然現象の体系的記述」という意味があるのだそうだ。ということは、史実かどうかを問わず出来事のつながりを物語ることがヒストリーであるらしい。そうなると、インドの叙事詩もヒストリーだし、実証的でなかった今までの関ケ原合戦の語りなどもヒストリーだということになるのだろうか。上で、「人はヒストリーよりも自分の信じたいストーリーを好む」と書いたけれど、むしろ「人は自分の信じるヒストリーが否定されると怒る」ということだったのだろうか。
※ 最後の段落は 言葉のつながり 執筆者:田中千鶴香(実務翻訳者)より引用
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