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11/13 B.アンダーソン講演会

「革命後のジャカルタ-アクセス可能な都市」
講師: ベネディクト・アンダーソン氏

     (コーネル大学政治学部名誉教授)

日時: 2009年11月12日(木) 13:30~17:15
会場: 京都大学・総合地球環境学研究所・講演室

ベネディクト・アンダーソン Benedict Anderson 略歴
1936年中国昆明生まれ。ケンブリッジ大学卒業。1967年、コーネル大学より
Ph.D.(政治学)。コーネル大学政治学部教授等を経て、現在、同名誉教授。
専門分野は、政治学、東南アジア学。著書に、『想像の共同体』、『言葉と
権力』、『比較の亡霊』、近著に『ヤシガラ椀の外へ』がある。

講演者からの内容メッセージ
革命後(1950年代~60年代半ば)のジャカルタで見られた、さまざまな文脈におけるアクセス可能性、近づき易さについて話すことにしたい。全ての通りはべチャ(輪タク)や自転車に開かれていて、時には馬が一、二頭通ることさえあった。首都の全ての地区はアクセス可能で、高い壁と守衛によって守られた高級住宅コミュニティー、ゲーテッド・コミュニティーは存在しなかった。種々の公共空間が一般に開かれており、これに近づくことが可能だった。当時の最高級ホテル、ホテル・インドネシアの向かい側では、ほとんど丸裸の男の子達がサッカーに興じていた。大統領宮殿で催されるワヤン劇は民衆に開放されていて、政治家も、大学、学校も近づき易かった。売春婦へのアクセスも開かれていて、彼女らはまだ売春指定地区に閉じ込められてはいなかった。ストリート・カルチャーが生きていて、子供達は家の中ではなく、ほとんどの時間を家の外で過ごしていた。言語的な近づき易さも存在した。つまり、ジャワ語のような敬語をもたない言葉、インドネシア語(バハサ・インドネシア)が日常的に話されていた。

告知HP
http://www.chikyu.ac.jp/archive/topics/2009/seminar_091112_annai.html

コーディネーター: 加藤剛氏(龍谷大学社会学部)
通訳:        禅野靖司氏(青山学院女子短期大学)
コメンテーター:   佐藤浩司氏(国立民族学博物館)
            山下裕子氏(一橋大学商学部)

主催: 地球研「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」プロジェクト      
     (通称:メガ都市プロジェクト  代表:村松伸)   
     京都大学東南アジア研究所GCOEプログラム
     「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」

関連書籍
ヤシガラ椀の外へヤシガラ椀の外へ
(2009/07/17)
ベネディクト・アンダーソン
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日本の若い研究者に向けて、「想像の共同体」の著者が自らの学問的な経験やキャリアについて、加藤剛との双方向の翻訳によってまとめた本。日本語版オリジナル。英語版出版予定なし。