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ジャワ王家: クラトンとプーロ
前の記事でスラカルタ王家(カラトン・スラカルタ)のウェブサイトを紹介したので、ここではジャワの王家の呼び方について書きます。

カラトンkaratonというのはクラトンkraton/keratonと同じ意味で王家、宮廷のことです。ratu(王)に、「~(人)がいる場所」という意味のke-anという接頭辞・接尾辞がついてKeratuanとなり、それがなまった形です。

中部ジャワには4つの王家があるのですが、クラトンと呼ばれるのは2つだけ、すなわちスラカルタ王家Karaton Surakartaとジョグジャカルタ王家Karaton Yogyakartaだけです。もっともごく正式には、それぞれKaraton Surakarta Hadiningrat、Karaton Ngayogyakarta Hadiningratと言います…。もともと16世紀に興った新マタラム王国が、スラカルタ王国とジョグジャカルタ王国に分裂します。このとき、王国のプソコpusaka(家宝)も2等分されました。どちらも新マタラムの正統な後継者で、この2王家がクラトンなのです。

スラカルタ王家の王の称号はススフナンSusuhunan、ジョグジャカルタの王のはスルタンSultanなので、やはり、ススフナンがいる所、スルタンがいる所という意味でke-anがついて、それぞれの王家はクラトン・カスナナンKraton Kasunanan、クラトン・カスルタナンKraton Kasultananとも呼ばれます。

ところが後に、スラカルタ王家からマンクヌゴロ王家が、ジョグジャカルタ王家からパク・アラム王家が分裂します。今度は対等分裂ではなくて、分家です。つまりマンクヌゴロ候はススフナンより、パク・アラム候はスルタンより格下です。この分家の王家はクラトンではなくて、プーロpuraです。よってマンクヌゴロMangkunegara候のいる所はプーロ・マンクヌガランPura Mangkunegaran、パク・アラム候のいる所はPura Pakualamanです。こちらはke-anではなくて、-anという接尾辞だけがつきます。余談ですが、バリのお寺もプーロと言います。

インドネシア人でも、知らない人はクラトン・マンクヌガランと呼んだりしますが、これは間違いです。観光ガイドの類にも間違いが多いです。相手が王族だと大変失礼になるので注意しましょう。