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能の表現と能を取り巻く文化 再び雑誌掲載 
2007年2月に実施した能のインドネシア公演&ワークショップについて、再度雑誌に記事掲載されました。

月刊誌GONG 92/VIII/2007号 39ページ 
「太鼓、日本の伝統楽器」
執筆Pincuk Suroto


しばらく前に、日本人の芸術研究家である冨岡三智が、ISIスラカルタ校のプンドポで、日本の伝統演劇の上演を行った。この一行は人数は多くないのだが、ソロの芸術愛好家を対象に、能という演劇の鑑賞会を行った。公演では2演目を取り上げた。それは「羽衣」と「石橋」で、音楽は比較的小さい4つの楽器によって奏された。そのうちの1つが太鼓である。

もしいくつかの太鼓を見せられたとしたら、この十分強い音を出す楽器は、普通大きいものだという印象を持つ。一般的に言って、その形はブドゥッグ(イスラムで使う太鼓)やドラムやクンダン(インドネシアの太鼓)の類の大きな打楽器と大して変わらない。しかし、その大変効果の高い上演においては、この小さい太鼓が使われているのである。

公演前のワークショップでは、彼らの持ってきた太鼓(大きなドラム)のサイズは比較的小さく、直径約30cmで高さが20cmほどである。サイズ以外にもユニークなのは、これがノックダウン(すばやく解体・組み立てできる)方式であること。
解体できる部分は、円形枠に張られている牛皮あるいは馬皮でできた表面、丸太をくりぬいた形をした胴(一種の筒型)、これらを結わえ、締めを調節する紐、そして太鼓を置く台としての骨組みの木である。

太鼓は日本人にとってもう何百年もなじみ深いものである。この、2本のバチで叩いて演奏する楽器は、普通獣の皮から作られる。彼らが持ってきたこの小さい太鼓は馬の皮から作られている。

特殊な作法が必要

上演の少し前に楽器の準備をする他の演奏家と違い、太鼓奏者は少なくとも1時間前から準備をして、太鼓の表面の皮を焙ったり炭に数分近づけたりしてある一定程度までやわらかくして、演奏に備える。

皮の表面の準備が整ってから、紐で部分、部分を通して1つにまとめる。この紐は補強するものであると同時に締め加減を調節するものである。これは音高の調節に必要で、この点はジャワの楽器クンダンと同様である。組み立てが終われば演奏準備が整う。

その叩き方は普通のブドゥッグの叩き方と違って、両方の腕を振って支えるというものである。この小さい太鼓奏法のシンプルさは、手首を柔らかく使うところにある。両方の手はまっすぐ前の上方に構えるが、次第に柔かくまた強くと、思うがままの音に合わせて、遅いリズムや早いリズムを演奏することを可能にする。 

クンダンやブドゥッグやドラムと違い、太鼓の音を出す主要部である皮は、ずっと使用し続けることができない。このパーカッション楽器の表面にある皮は約10回使うと、新しいものに取り替えないといけない。これは、動物の皮でできた素材は繰り返しの熱に耐えられず、柔軟性を失ってしまうからである。

(以上、翻訳:冨岡三智)

「能の表現と能を取り巻く文化」については以下をご覧ください。

2007年3月4日・活動内容について
2007年3月11日・新聞掲載記事の翻訳
2007年3月23日雑誌掲載記事の翻訳
2007年4月9日・雑誌「観世」掲載のお知らせ