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カラフルな村、都市空間と絵
一昨日、インドネシアの村がテレビで取り上げられていたと聞いたので調べてみた。番組は関西テレビの「世界の村のどエライさん」で、2月5日取り上げられたのがカンポン・ペランギだった。Kampung Pelangi (私だったらカンプン・プランギと綴るが。「虹の村」の意味。)

そのサイト: https://www.ktv.jp/doerai/180205.html によれば、半年前までスラム街だった地域が、村の中学校長の発案でペインティングを始め、SNSであっという間に世界中から観光客になったとか。

このKampung Pelangiは、中部ジャワ州・スマラン市・南スマラン区ランドゥサリKelurahan Randusari, Kecamatan Semarang Selatan, Kota Semarang, Jawa Tengahにあり、2017年4月15日からペイントを始めたという(➡参考記事①②)。

実はインドネシアでカラフルな村というのはここだけではない。参考記事③は、インドネシアにあるインスタ映えするカラフルな村10選の記事だ。10選のうち、ここでは東ジャワ州マラン市ジョディパンKelurahan Jodipan, Kota Malang, Jawa Timurにあるカンプン・ワルナ・ワルニKampung Warna Warni(カラフルな村の意味)とジョグジャカルタ特別州にあるカリ・チョデKali Code(チョデ川の意味)地区を紹介。どちらも元は川沿いの貧困者居住地域である。カンプン・ワルナ・ワルニはKampung Wisata Jodipan(ジョディパン観光村)が正しいようで、2016年9月4日に――ということはカンプン・プランギ発足の半年前に――マラン市の都市開発・観光事業としてオープンした。

それらよりずっと先行するのがチョデ川地域である。この地域で2011年に行われたプロジェクトに私は参加しているのだが、この地域は川沿いの貧困な村だった地域に神父が80年代から入り、大学などと連携しながら人々の生活改善を主導してきた。住民たちが木と竹で作ってペインティングした家々は、1990-1992期のAga Khan建築賞を授賞している(➡④)。ただし、インスタ映えを狙っての都市づくりではなかったので、カンプン・プランギやカンプン・ワルナワルニほど派手ではない。ちなみに、カリチョデ地域での私の活動は2011年2月9日~3月4日までのブログ記事(分類:API Fellowship)を参照。

このカリ・チョデ地域があるジョグジャカルタだが、スハルト退陣前の暴動で荒れた時期(1998年~)に、橋げたや都市の壁に絵を描く運動が盛んになった。州政府(確か)がペンキを提供し、芸大大学生らが中心になって、ヘイト落書きなどの上から様々な絵を描いたのだ。ちなみに、このプロジェクトの様子のビデオ記録があり、私が字幕翻訳している(➡⑤)。このように、絵画による公共空間の美化の歴史はインドネシアのジョグジャカルタではすでに20年くらいあるのだが、そこではあくまでも住空間における絵画であったように思う。カンプン・プランギなどは、町全体に色を塗ることが主体のようだ。観光政策の意味合いが大きくなったのは最近かなあ…と感じている。

参考記事
① 2017.5.12 https://travel.detik.com/domestic-destination/d-3495045/yang-baru-dan-unik-di-semarang-kampung-pelangi
② 2018.1.12 http://voinews.id/japanese/index.php/component/k2/item/137-kampung-pelangi
③  https://phinemo.com/kampung-warna-warni/
④ http://www.akdn.org/architecture/project/kampung-kali-cho-de
⑤  UCRCエスノグラフィック映像コレクション>インドネシア国立芸術大学ジョクジャカルタ校 記録メディア学部>2005年公開>ジョグジャカルタの壁画制作 http://ucrc.lit.osaka-cu.ac.jp/movie/isi/2005.html